心象スケッチ #4 月の向こうへ(CazU-23 ソロアルバムより)

あの日 喧騒の行灯が遠く

共に在ることを讃える川面に
映ることさえ躊躇う小石

うしろの正面を
よこからみていた少年は

正義以外の道を探していた

イロカラミヲクウニカゲ

スベカラナルセイヲヒカリ


ある情動の夜更けすぎ

湖畔に張った膜はめくれ
あなたの波の深さを受け入れて

そっと揺れ動く魂振り

ジバンシンドウカンジョウシンパク

アオクユルリネムルタイヨウ


ある路傍に立つわだち

あなたを昨日に置いとけないと
夏の日の夕焼けに乗せていく

振り返ると蒸せ返す幻

ユレルカミイテツクカタヲ

カイガイコウゴウサマシテイル


ある望郷の佇まい

透き通る樹々の呼吸のなか
幽玄なほどに潔白な身をほぐし

空横たわる白龍の面持ち

シンミンソウサクミテムスヒ

ソノシャクナゲノオビタルイシ


あの晩秋のひもろぎ

祈りのなかに籠める夕餉を
際限なく深い器でいただきます

月夜に眠る新しいツキ

アノヒミタミチユメカラメリテ
ツキノムコウへツキヌケルミチ

トキヲコエテサ ツキノムコウヘ